2017-02

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三戦記をめぐる欺瞞論法

 安倍政権の支持率が不支持率を下回ってきたのは、言うまでもなく、「戦争法案」と言われる「集団的自衛権」を可能にする安保法案が、今国会で成立する可能性が大きいからである。

 学者や知識人の間では、憲法の精神を踏みにじるからダメだという高度な議論がされている。だが、何でこれほどに国民的関心が高まっているかと私が思うに、この法案の成立によって、自衛隊員の命の危険がこれまでより格段に大きくなるという、国民全体の不安が高まったからではないだろうか?
 自衛隊員の危険は、即自分らの危険という感覚が日本人には有るのだと思う。自衛隊員といえども、自分らと遠い存在では思えないのだろう。自衛隊員は機械でもなく、ロボットでもない。自衛隊員の危険は自分の危険という感覚は、自衛隊を親しみを感じるという事ではないのだが、自衛隊員の危険は自分らの危険と感じる感覚が、日本人一般にはあるのではないか。

 安倍政権が辺野古に普天間基地の移設を強行しようとしている事には、日本(ヤマト)人一般には大した危機感がなく、支持率は下がることはなかった。しかし、「戦争法案」と言われる安保法案が成立する見通しになると、それは自分たちに危険が及ぶ事だと感じて、たちまち政権への批判が高まる。日本(ヤマト)人は現金民族なのである。
 それでも、この法案は成立するだろう。そして、徐々にというか或いは急激にというか、自衛隊への応募者は減って行って、退職者は増えてて行くのだろうね。

私の『集団自決の真実』
          『集団自決の真実』wac文庫
 ところで、さんげつ(伊藤)さんがここの処、ブログで曽野綾子の「 砂上論法」を斬る話を展開している。それは渡嘉敷島の『集団自決』に関して、隊長命令の在る無しと、それを記載した沖縄の三つの戦記に関する曽野綾子論法のまやかしを突いておられる。

『集団自決の真実』第2章(WAC文庫版p40~約p66)の記述は欺瞞に満ち溢れていると私も思う。
 曽野は先ず、赤松隊長の自決命令を記した『鉄の暴風』(1950年)・『渡嘉敷島の戦闘概要』(1953年)および隊長命令の記述のない『渡嘉敷島における戦争の様相』(作成年不明)と、集団自決場面を描いた沖縄の三つの戦記の文章の酷似性を指摘した後、一番先に書かれた『鉄の暴風』を引き写して『概要』が書かれ、その後に『様相』が書かれたと断定している。
『鉄の暴風』と『概要』には、隊長命令が記されているが、最後に書かれた『様相』にはその記述がないから、執筆者の村長らは赤松隊長の自決命令を確認してなかったのだと結論付けている。


 曽野はその根拠として次の2点を挙げている。

 (1)旧仮名の混じっている割合は、『概要』が『様相』よりやや多い。。
 (2)『概要』にはどうとでも読める崩し字があり、それが『様相』ではいかにもそう読めるように改められている。

 ところが、伊敷清太郎氏の検証によれば、(1)も(2)も事実ではない事が判った。旧仮名の混じっている割合は同じであり、『概要』にどうとでも読める崩し字はないという。伊敷氏が詳細に検証した結果、『概要』のほうが『様相』より後に書かれた可能性が高いという結論を出している。  

 曽野は勝手な理屈で、自決命令のない『様相』が自決命令のある『概要』より後に書かれたと子供だましの結論を出したのである。何故こんな子供だましの記述ができたのかという理由は、『鉄の暴風』と違って、この渡嘉敷村の2戦記は一般の目には触れにくい文書だったからではないか。両戦記とも公刊物にされてない。『概要』は役場でのコピーが許されてなかったし、『様相』は琉球大学の蔵書であり、熱意ある研究家でなければ調べる余裕など無かっただろう。曽野綾子はその辺の事情を計算に入れてそんな理屈を展開したのだろう。恐るべき「山姥」であった。
 S58年頃に伊敷清太郎氏が両戦記を丹念に調べ上げて、勤め先の学園の『紀要』に掲載し論評加えて、我々の目にも触れるようにしたのである。

 『ある神話の背景』第2章にはその他にも、欺瞞的「砂上論法」が使われている。それは『鉄の暴風』著者の太田良博が、体験者ではない人物から伝聞取材して書いた作り話(神話)を、『概要』『様相』の書き手が盗用して書いた信用できない文書だという論法である。それこそが曽野一流の嘘(神話)でしかない。次回に。
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Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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