2017-06

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Amazonのレビューを見ていたら

 先日、伊藤さんからメールで、『集団自決の真実』(2006年wac版)レビューへの協力要望があったので、高い評価(星5つ)には「いいえ」、低い評価(星1つ)には「はい」をクリックした。星印5つのレビューの中に、面白い人物のものを見つけた。ある内科医のレビューで、ちょっと長いが全文を引用する。WAC版が発刊された直後のレビューのようである。

マルコポーロ1995・Feb西岡昌紀マルコポーロ
    『マルコポーロ』1995年2月号


 沖縄本島の西に在る渡嘉敷(とかしき)島では、沖縄戦の際、日本軍が住民に集団自決を命じ、住民329人が、集団自決を遂げたと、言はれて来た。ところが、1973年(昭和48年)、曽野綾子さんは、『ある神話の背景』(文藝春秋/1973年)において、この「定説」に疑いを投げ掛けた。疑いの理由を要約すると、この渡嘉敷島の集団自決に関する話が、共通して、1950年に出版された『沖縄戦記・鉄の暴風』と言ふ本の内容に依拠しており、更に調べると、その『鉄の暴風』の内容は、集団自決の目撃者ではない二人の人物の伝聞を根拠にした物でしかなかった事が、判明する。そして、そこから、曽野綾子さんが、渡嘉敷島の住民と、自決を命じたとされる赤松元大尉、それに赤松元大尉の元部下らに精力的に聞き取りを行なった処、集団自決自体は確かに在ったが、赤松元大尉が住民に自決を命じたと言ふ証言をする人が居ない事が明らかに成る。つまり、渡嘉敷島で集団自決が有った事は事実でも、それが軍の命令による物だったと言ふ話は、『鉄の暴風』と言ふ本に書かれた話をマスコミが検証せずに広めた神話だった事が判明するのである。そして、その『鉄の暴風』の記述も、「地下壕」で決定が為された等と述べる記述が有るものの、現地に地下壕など無かった(!)事を知念朝雄氏が証言するなど、信用の置けない物であった事が判明するのである。こうして、沖縄戦の際、渡嘉敷島で起きたとされる「軍の命令による集団自決」は、全く信用の出来無い話である事が露呈する。--これが、本書の要約である。
 しかし、「軍による集団自決」は、今も教科書に書かれたままだと言ふ。こんな虚偽の歴史を教える事を「平和教育」と呼ぶのだろうか? 
西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に2006/8/14 )

 この西岡の陳腐なレビューに対しては、直ぐに否定的なコメントをやったのだが、「西岡昌紀・内科医」という文字をどこかで見たような気がしたので、一生懸命思い出そうとあぐねたが、思い出した。西岡は1995年に、文春発行「マルコポーロ」2月号に、「ナチスのユダヤ人大量虐殺はなかった、ソ連の捏造である」との記事を書いて大問題となり、ユダヤ人団体からの抗議を受け、雑誌はその号を最後に廃刊となって、花田紀凱(かずよし)編集長は解任され文春を退職している。トンデモ記事を書いた西岡はその原因を作った張本人であった。
 私は店頭で、稲盛いずみの表紙に惹かれ、目次をパラパラとめくって、松本サリン事件(この時点では地下鉄サリン事件はまだ起きてない)など、少しばかり興味引かれる数件の記事があったので、初めてこの雑誌を買ったのである。直後にテレビ、週刊誌などで、西岡の記事が大きく騒がれ始めていた。西岡の「ホロコースト捏造説」にも、多少の興味はあったのだが、まさかという感じであった。戦後ドイツ人があれほど、謝罪し、その否定を法律で禁止しているような歴史の事実を、否定する記事を日本の雑誌が掲載するとは正に噴飯モノではないか。

 私はこの最終号をずっと捨てずに持ち続けているが、時々めくってみると面白い記事がある。「橋下徹への名誉毀損」ルポを切っ掛けに、猪瀬直樹にツイッターで盗作・剽窃癖をバラされて、作家生命を失った佐野眞一の著者インタビューなども載っている。当時まだ48歳だが写真で見るとおり老けて見え、よい人相ではない。
           佐野眞一@マルコポーロ
             「巨怪伝」を書いた佐野眞一

 西岡昌紀の論考は、気合を入れて書いたと見え、十ページにもわたる。論理的構成に乱れはなく、読むものをそうかも知れないという気分にさせるものである。あたかも、予備知識のないものが『ある神話の背景』(集団自決の真実)を読んで、事実はそうだったのか目からウロコだ、と思う事に似ているだろう。
 しかし、ナチスのホロコーストは、戦後世界のあらゆる研究者によって調べ尽くされているから、誰も否定できない事実として定着しているのだ。西岡のように重大な事実を歪曲した言論人が、何の処罰もされずに、医者として生活している日本社会に不思議さを覚える。

 ところで、当時の「マルコポーロ」の編集長・花田紀凱は、今はwac出版の幹部であり、wacは月刊『WILL』の発行元である。『諸君』廃刊後、『WILL』は曽野綾子や渡部昇一ら御用モノカキの主要掲載先となっている。出版社自体が権力(体制)追随の体質を持っている。そのwacが創業(2004年)まもない頃(2006年)に『ある神話の背景』(集団自決の真実)を発刊したのだが、発刊直後に西岡はamazonにレビューを書いてやっている。おそらく、花田と西岡は腐れ縁で結ばれているのだろう。権力御用作家・曽野綾子の代表作たる「ある神話の背景」の再版・『集団自決の真実』の販促に協力してやったのである。
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コメント

伊藤さん
>他に触れたものはありますか?

他には無いですね。
国頭にいた国士隊が渡嘉敷にいたとは考えられないので不思議ですね。

中野学校の任務

吉川勇助さんの話では、敵陣に忍び込んで破壊工作などをしていたそうです。
中野学校の出身者は、諜報が仕事だったようですから、阪神さんのおっしゃるとおり、渡嘉敷島の特殊部隊員は中野学校とは関係なさそうですね。

八原高級参謀の「沖縄決戦」pp.92-93に次の記述があります。

十九年末から二十年初頭にかけて、中野学校出身の将校数名がやってきた。彼らは、口を揃えて豪語する。「私どもは、沖縄戦に参加するのが任務ではない。沖縄戦が終わって、第三十二軍が全滅してから、活動を始める。沖縄を占領したアメリカ軍の行動を偵知して、東京に報告するのが任務です」。彼らの申告を受けられた軍司令官、参謀長の顔には苦笑が走った。私もすっかりいやな気分になり、それでは、「君たちは沖縄北部の山獄地帯か、沖縄島周辺の小さな島に潜り込み、土地の娘さんと結婚して、時期を待つがよいだろう」と皮肉ってやった。

赤島集団とは何でしょうね。他に触れたものはありますか?

赤島集団?

伊藤さん、貴重な情報有難うございます。

「あ丶沖縄―秘録・狂気と痛恨の血戦記 (恒友出版1968.8.15)小木曽郁男 、川邊 一外」に屋嘉で八原高級参謀に質問をした時のメモが出ています。
http://imgb1.ziyu.net/view/kimuke/1415856061.jpg.html
もしかして赤島集団の事ではないかと思いついたのですが、高級参謀の返答内容がよくわかりません。
赤島集団が内地にいて、嘉数の戦いが成功した後に沖縄に出撃予定だったが、ボロ負けしたので米軍の本土上陸作戦で活躍するよう転用したともとれますし、沖縄のどこかにいて、反撃が成功したら表に出る部隊だったともとれます。
中野学校出身者はどの島でも学校の先生になっているので、渡嘉敷にいたのは別の部隊だと思います。

渡嘉敷島の特殊部隊

吉川勇助さんから聞いた話です。中野学校の出身者かどうか知りませんが、渡嘉敷島に特殊部隊の人が何人かいたそうです。赤松隊とは別行動だったようです。戦記にも沖縄県史にも出てきません。調べて見たらどうかと言われましたが、そのままになっています。

保坂先生の本をお買い上げいただき有難うございました。
がっちり書かれているので、読むのは骨かもしれませんが、読者が増えてうれしいです。

阪神さん、コメントをどうもありがとう。
沖縄戦を材料にしてエンターテイメントを書いて貰いたくないですね。何か珍しい資料が在るかも知れないから、一応読んでみても良いかもです。
僕も保坂氏の本を入手しました。これはじっくり構えてよまなければならないですね。

西村京太郎

こんにちは。
先月、講談社から西村京太郎「沖縄から愛をこめて」という小説が出されました。
http://kodansha-novels.jp/1410/nishimurakyotaro/
完全な小説であり、沖縄戦を出汁に使った空想です。
西村京太郎は超超売れっ子作家ですが、今まで一度も著作を読んだことがありませんでした。
読んだ感想は「こんなものが小説でいいのか?」という後味が悪いものでした。
小説は読み進めていくうちに、次はどうなるだろうというワクワク感があったりするものですが、これが無い。全く無い。
著者は陸軍幼年学校にいた時に敗戦を迎えているので、戦術に興味があるのかもしれませんが、この小説で言っていることは、何千、何万人もの住民を盾にすれば本土決戦になっても、米軍に勝てる可能性が僅かながらあったかもしれないというものです。
住民を盾にして日本軍が進撃するという構図です。
この本は本当に西村京太郎が書いたのだろうか?
名前を貸しているだけではないのか、と疑いたくなる幼稚な小説でした。
ただ、実際の沖縄戦では、中野学校出身者が慶良間諸島にいなかったのは何故だろうか、という疑問が残っただけです。

伊藤さん、いつも情報をどうも。岩上氏の 

>西岡氏は無邪気な善人である。

の評はそうかもしれませんね。今も西岡は、WILLには寄稿しているようです。花田との腐れ縁でしょうね。

恥ずかしながら、私は保坂琉大教授の著書を読んだ事はないです。ずっと前に狼魔人が名指しで、セクハラ琉大教授が居るとブログに書いてましたが、それはガゼに違いないと思います。

発注しました

伊藤さん、紹介いただいた書籍を注文しました。
保坂先生の紀要は数年前にダウンロードして読みました。
送られてくるのが楽しみです。

「沖縄戦のトラウマ」の刊行

保坂先生の「沖縄戦のトラウマ-心に突き刺す棘」を刊行しました。

アマゾンで販売中です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4907625162/

沖縄戦のトラウマについての研究が本格化したのはこの数年のようです。医師の蟻塚氏によるものがすでにありますが、今回は社会学的見地からの考察です。

琉大紀要に書いた論文が元になっていますが、これは外部アクセスNO1だったそうで、本著は保坂先生の自信作です。

沖縄戦のトラウマの基礎資料になると思います。
ご案内まで。

2012/09/03コメント

キー坊さん、2012.9.3のコメントです。

1月22日の空撮です。
渡嘉敷集落から北へ900mの地点に「土を掘り返した跡が見られ」とあります。

PDFファイルでは34ページ目ですが、印字では57ページと書かれたところです。
http://heiwa.yomitan.jp/DAT/LIB/WEB/4/1058_Vol8-2online.pdf

岩上氏の西岡評

ジャーナリストの岩上安身氏は、筆禍事件の直後にどういう人物か知りたくて、西岡氏に会ったようです。

以下は彼の西岡評です。

http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/jew3.htm

・西岡氏は無邪気な善人である。積極的に善をなしているという意味ではなく、単に悪意を欠いているという意味で。

・そして悪意なく、身を削られるような思いをすることもなく、娯楽として、「ナチ『ガス室』はなかった」という論争を楽しもうとした。

これは、ホロコーストの犠牲者にとってはある意味、ネオナチのプロパガンダ以上に、堪えがたい侮辱です。痛ましい惨劇の記憶をオモチャにされているのですから。

・科学的方法論に関して完全に無知だった。

西岡氏はマルコポーロに書いた記事を科学と考えていました。科学として「ナチ『ガス室』はなかった」と主張するのであるならば、「あった」の証拠・証言の類は山ほどあるわけですから、それらに対する反証をしなければいけません。そうしたことは全く行わないどころか、それが必要であるという認識すら持っていなかったようです。自説に都合のよい証拠だけを集めてそれが科学だと思っていたということです。

医者で、神経内科の領域で、厚生省研究班の班員だったそうですから、岩上氏でなくとも唖然とします。

航空写真の解析とは

阪神さん。
米軍の航空写真の解析についての貴コメントを申し訳なくも、私は見落としたのかもしれません。何時のコメントかどうか分かりますか?

その解析が確かなものだとすれば、ブッターチニンは嘘を言った事になります。
太田良博は古波蔵元村長ら、体験者から聞いてあの渡嘉敷の部分を書いたといっているから、壕の話も事実である可能性があります。

とても大きな陣地壕も造ってあった!!

こんにちは。
ブットーチニンは現地に地下壕など無かったと言っていましたが、米軍の航空写真の解析により、壕があった事は以前コメントしたとおりです。
「戦時体験記録(北谷町)」の証言にもこれを裏付けるものがあります。
「とても大きな陣地壕も造ってあった」との事です。
http://imgb1.ziyu.net/view/kimuke/1414411333.jpg.html
西岡昌紀は歴史を捏造する異常な頭を持つドやぶ医者ですね。
無料でも受診したくないですなwww

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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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