2017-08

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私観その3

 日本は『尖閣』や『竹島』を、日本「固有」の領土だと主張する。中国・韓国もそれを自国の「固有」の領土だと主張している。『尖閣』の位置する沖縄県出身の人間として、この「固有」という意味は何だろうか、と考えざるを得ない。
 日中が争うことによって、沖縄の人間は全体として、その動向に生き方を影響されると言っても良いからである。実際に武力衝突が起き、住民に命の危険が迫ってくるという可能性は少ないと思うが、それも全く無いとは言えない。可能性は少なくても、沖縄県に領土問題が在ることによって『尖閣』をめぐる国際的緊張感は高まる事になる。

 だが、近年高まっている「緊張感」というものは、対米隷属の政治家らを使っての「創作」されたものであり、この世界を支配している勢力が、沖縄を食い物にするための謀略であることは明らかである。2010年の「中国漁船衝突事件」も仕組まれたものであり、日本と隣国との緊張関係を高める事によって、存在価値を民衆に意識させるのは在日米軍であると、このブログで述べてきた。          竹島
                   竹島の女島と男島         竹島の位置
                    竹島の位置           

 人為的に「創作」された緊張関係が無いとしても、辺境の土地をめぐる領有権の対立があれば、それに伴う軍事的緊張関係が生ずるのは自然のなりゆきである。『尖閣』・『竹島』に関しては、日本と中韓の間で互いに自国の「固有」の領土だと対立している。

 日本と中・韓が、『尖閣』・『竹島』に自国民が古い時代から定住した事実がない事については対等である。中国・韓国は古い時代の人々が書き残した文書等に、『尖閣』・『竹島』が自国の範囲内に在ることを記述・表示している事をもって、「固有の領土」の根拠とする。しかし、それらは当時の一個人が記した見解に過ぎず、国家が正式に宣言した文書ではなかった。「固有の領土」を主張する根拠としては弱いと言えよう。(→ 上里賢一氏論考
 やはり近代国際社会の論理としては、国家(政府)が他のどの国も実効支配していない事を確認した後、正式に「領有」を決定宣言して、その後実効支配を続けた事が最有力の根拠となる。明治政府は、1995年に『尖閣』の日本編入を決定し、1905年に『竹島』の領有を決定している。その後、太平洋戦争終了まで中国・韓国はそれに対して異議を申し立てなかったようである。『尖閣』には翌1996年、魚釣島に石垣在住の福岡県出身実業家が鰹節工場を創業し、終戦の1940年まで45年にわたって運営され日本人が居住していた。この歴史的事実に対して中国は自国領であることを主張する余地はないと思えるのだが…。

         尖閣3島
        手前より「南小島」「北小島」「魚釣島」

       senkaku-tizu1.jpg
                   尖閣諸島の位置 

 だが前の記事に書いたように、日本が『尖閣』を自国の範図に組み入れた時期は、わずか117年前(『竹島』は107年前)であり、明治時代の後半でしかない。それ以前は日本人も、中国(朝鮮)人もそれらの島々に定住した事は無かった。それでも「無主地先占」という近代国際法の論理からすれば、日本のほうが領有権を主張するに大いに有利な立場にある。だから、実効支配している『尖閣』については領土問題は存在しないという態度を堅持しなければならない。『竹島』については、戦後の韓国の実効支配は不法占拠であると訴え続けなければならないだろう。それが剣呑な国際関係の慣習である。

 だが、千年以上前から近隣関係にあり、人間の移動・交易を続けてきた国(民族)同士が、たかだか百数十年の近代世界おける常識を楯にとって、両国の境目にある島々の領有を大威張りで主張できるものだろうか?近代になる遥か前から、両国人はその島々の存在を認識していただろう。命がけで渡航し、海産物採取の拠点としての利用もしていただろう。 だが、それらの島々は、近代以前の人々が移住するには厳しい環境にあったし、国家にとっても領有するに、さほど利得のある土地だとは認識されなかったに違いない。しかし、近代になって輸送手段の発達、航海技術の進歩、漁業技術の発達によって、それら辺境の島々、『尖閣』・『竹島』が領有するに値する土地だと認識されるようになったのだと思う。

 中国は、『尖閣』近海に石油が埋蔵されていると国連のアジア極東経済委員会が発表してから、領有権を主張し始めている。これには、中国人はなんてあつかましく、現金な人種なのだと思ってしまう。
 だが、我々はここで相手の立場に立って考えてみる必要があるのではないだろうか。1995年に日本が領有宣言し沖縄県に編入したといっても、その年は中国が日清戦争に負けた翌年である。
 中国領だった島を日本が戦勝に乗じて奪ったのではないが、負けた中国は絶海の孤島の領有権にこだわる余裕がない状況だったのではないか。戦勝国相手に異議を唱える雰囲気ではなかったと想像できる。現代の中国人としては、敗北につけ込まれて乗っ取られた領土なのだという心理があるのではないか。かつてはどっちに帰属するか判らなかった辺境の海底に、膨大な量の石油が眠っている事がわかった現在、それを日本にだけに独り占めにさせたくない…、私が中国人ならそう思うかもしれない。

『竹島』も、明治日本が「韓国併合」(1910年)を押し進めつつあった5年前に領有決定されており、支配されている側が日本海の孤島の領有権を、支配する側に向かって言える雰囲気でなかったに違いない。『竹島』は島がより狭小で険しく、『尖閣』と違ってその後日本人が定住する事はなく、漁業や狩猟の足場にしただけであった。だから『尖閣』に比べて、日本が「固有」の領土を主張する根拠は弱いようにも思える。
 その事が現在『尖閣』は日本が実効支配して、『竹島』は韓国が実効支配している事の差となって現れている気がしないでもない。といっても、私は韓国に領有権を認めているのではもちろんなく、韓国も薄弱な根拠でもって戦後に「不法」占拠したのだから、あくまで日本は「無主地先占」の論理を前面に出して領有権を主張すべきだと思う。これが剣呑な世界の常識的対処方法だと思う。

 私が言いたいことは、100数十年前にはどっちの物か分らなかった土地に関して、日本人がやたらにナショナリズムを煽るような策謀に乗るのは褒められた事ではないという事である。相手が理不尽に思えても、領土問題は話し合いで決着できる事ではないと思う。永遠にどっちの領土だと決められない事柄だと観念しなければならないだろう。
 『尖閣』は田中内閣の国交正常化以来、40年間「棚上げ案」でもって、日本が実効支配を行ってきた。日中漁業協定により緩やかな監視の下で中国漁船に操業を認めてきた。どっちも実利を得ていると言える。石原慎太郎のような、ウヨウヨいる自称愛国主義者、実は対米隷属主義たちの煽動に乗って強硬路線を主張し、自国を危険な状況に進めるのは愚の骨頂だと言うしかない。
 日本人には、今時分たちを抑圧している真の敵がいるのではないか。
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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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