2017-03

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悪質なヘイトスピーチ

 ある対象について書かれた書物や論文が、何のために書かれたのかという事を吟味した場合、一読してみて、著者が書く対象の事を思いやって、その将来が良きものに成ることを願っていると、書かれた側の人間が判断した場合は、その書・論文はあり難いものに感じられる。だが、一読し、最初はあり難いように感じられても、読み進むうちに、また繰り返し読むうちに、対象に思いやりをもって書いているのではなく、むしろ対象を貶めるために書いた書・論文=ヘイトスピーチでしかないと感じられてくると、逆に著者に対して怒りの感情がこみ上げてくる。
 日経新聞社会部次長・大久保潤というジャーナリストが、米軍基地をめぐる沖縄の実情を書いた「基地反対の名護市が『返還に反対』する基地」という論考(『新潮45』)はその典型的な例ではないか。

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 私が、ある著書・論文が価値あるものかどうかという事を判断する基準は、その書に本質に迫る内容が有るかどうかという事である。大久保潤の言説は、3年前に出した単行本「幻想の島 沖縄」という分厚い本でも同様だが、今回の『新潮45』論考でも、米軍基地存在からもたらされる多額の補助金、軍用地借地料によってスポイルされた沖縄の惨状を、これでもかという位に挙げつらって批判する。「沖縄の目指すベき道」という最終項では、この現実から脱却する為には米軍基地に頼らない、健全な沖縄社会・経済を作っていく事が必要だなどと、沖縄へのお為ごかしで締め括っている。

 事の本質に迫らないという点では、佐野眞一『沖縄 誰も書かれたくなかった戦後史』も同じである。惠忠久・奥茂治から取材して書いた誇張された「奄美差別」の章はヘイトスピーチそのものだった。でも佐野の著書は沖縄を面白おかしく書いた売らんがための通俗ルポであり、ヘイトスピーチの度合いは大久保よりは低い。
 大久保は前著『幻想の島沖縄』で、この誇張された佐野の文章を引き合いに出し、「読んでいてやり切れなくなります」などと書いていた。

 今回の大久保の「新潮45」論考は、国民の税金を無駄使いしている米軍基地依存の経済体質が沖縄社会を蝕んでいるから、沖縄人は自らの努力でそこから脱却しなければ成らないと言いつのるが、その為にはどうすれば良いかという提言は何らない。
「官頼みになる沖縄側には「こんな沖縄に誰がした」という気持ちがあるだろう。それにはあえて反論しない。沖縄の基地と振興策の継続を黙認してきた責任は我々本土側の人間、とりわけマスコミには重くあるだろう。だからこそ、沖縄の基地を減らし、同時に特別な配慮も終わりにして、正常な関係を築くべきだと強く思うのだ。」 
と逃げの一文を書くのみで道筋を示唆する事さえない。

 沖縄の基地問題の本質は、復帰後の40年間、或いは戦後の67年間、日本全体の大半(74%)の面積の米軍基地を沖縄に押し付けて、自分らは経済的利益の追求を国家の大方針として来、その結果が今、日本経済および社会全体が危機に瀕しているという報いとなっていることにある。沖縄の基地問題は、日本国の根本問題なのではないか。
 国家の方針として、米軍基地の大部分が沖縄に押し付けられているのだ。その為の方策として、過分な借地料・行政補助金が沖縄に垂れ流されているのだ。現在の沖縄の惨状はむしろ日本政府(官僚機構)の意図したものではないのか?

 日経の那覇支局長として沖縄に3年滞在し、現在は社会部次長として大手新聞社のベテラン記者である大久保潤が、沖縄の基地問題の本質を知らないはずはないだろう。大久保は著書や論文で、沖縄は我々が納めた税金で多額の補助金・借地料をもらっているのだが、それが一部の層に偏ってもたらされるだけで、全体として貧しい状況から抜け出せない状況が続いている。もう米軍基地に頼るのはやめて、すなわちヤマト国民が払った税金の無駄使いをやめて、自分たちの努力で健全な社会を作るべきだと提言をするのである。ところが、その為には沖縄人はどうすべきか、その為にジャーナリストとしての自分は沖縄に如何に関わるのかという事にはまったく言及しない。
 つまり、大久保潤は事の本質に迫らないのである。本質に迫るという事は、日本国の体制に批判を加えることである。日本経済新聞という財界の機関紙のような御用新聞のエリート社会部記者に、本質に迫る論文や本を書くことを期待するのは、所詮無理な話だろう。

 大久保が今回の「新潮45」論文、および前著・「幻想の島 沖縄」を書いた目的は何なのだろうか?米軍基地によってスポイルされた沖縄の現状を憂えて、沖縄社会と沖縄人の欠点を「勇気」をもって指摘して、より良い沖縄社会と沖縄県民になって欲しかったからだろうか?もちろんそうではなく、沖縄人が基地反対を叫んでいるのは、米軍基地を撤去して平和な社会を作ると言うのは大義名分であり、実は米軍基地が在る故に政府から垂れ流される金がもっと多くほしいからだと、大和人B層に向かって言いたい為である。沖縄人は本音では米軍基地が在ることを望んでいると、大和人に印象付けたい為だと私は断定する。
 沖縄の為に敢えて苦言を呈するという体裁を取っているだけに、悪質なヘイトスピーチだと言うしかない。
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コメント

ありがとうございます

かりゆしさん、ご賛同いただいてありがとうございます。

大久保は、売郷奴のヒジャイ・又吉を称えることで、自分が与太言論人であることを暴露してます。

おっしゃるとおりです

大久保潤は酷い記事を書く奴だ、と思いこのブログにたどり着きました。日経の日和見主義で金持ちの味方的な記事しか書けない恣意的で稚拙な記者ですね。このゴロツキ御用記者の憎しみの感情が込み上がるのが伝わる何とも低レベルな記事文です。何もかもセンスのない人間のようです。こういうポン助記者は表立って記事を書いてはいけませんね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0502K_V01C13A2000000/

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Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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