2017-09

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仲程昌徳氏の論考その1

仲程昌徳氏の「ある神話の背景」への論評を HPにアップしました。仲程氏は1943年テニヤン生まれ。執筆時は琉球大学助教授。

仲程氏が1981年に「琉球新報」に連載した「沈黙の地平ー沖縄戦記大概」は、「沖縄の戦記」として朝日選書から単行本刊行された。その中の「ある神話の背景」の項を今回テキスト化してみた。誤転換、脱落部分も在るかも知れないので、ご勘案ください。
沖縄人の論者の中では、”珍しく”、「ある神話の背景」をとんでもなく高く評価している。「背景」発表から10年も経っている段階でである。

冒頭部分
「曽野は、一つの位置にたつことなく、複数の視点にたって、これまでの沖縄戦をあつかった記録作品にみられなかった新しい視点をとりこみ、女子学生たちの沖縄戦における実相および沖縄戦に内在する人間存在の究極を掘り下げたのであった。そうした公平な視点というストイックなありようが、曽野の沖縄戦をあつかった三作目『ある神話の背景 沖縄・渡嘉敷島の集団自決』にもつらぬかれるのはごく当然であったといえる。」

と、手放しの評価である。仲程は、この連載では、「背景」の直前の項で「生贄の島」、「切り取られた時間」についても紹介・論評しているから、その余韻を持ちながらこの「背景」についての論評を書いたのだと思う。

「ルボルタージュ講成をとっている本書で曾野が書きたかったことは、いうまでもなく、赤松隊長によって、命令されたという集団自決神話をつき崩していくことであった。 そしてそれは、たしかに曾野の調査が進んでいくにしたがって疑わしくなっていくばかりでなく、ほとんど完膚なきまでにつき崩されて、「命令」説はよりどころを失ってしまう。すなわち、『鉄の暴風』の集団自決を記載した箇所は、重大な改訂をせまられたのである。」

と、隊長命令は完全に創作されたものとして、曽野の言い分を完全に支持している。これは仲程が、曽野の記述を単純に信じたからであろう。それでも、仲程は「集団自決」について日本軍に責任無いとは言ってない。が、赤松隊長の責任問題については論ずる姿勢が見えない。

解せないのは、「琉球新報」に寄稿しているのに、当時新報の社員だった太田良博に曽野の言う「隊長命令伝聞説」の真偽を、仲程は問うてみる事をしなかった事である。直接太田に疑問をぶつけていれば、太田からはそれを否定する答えが返って来る事は間違いない。
そうすれば、こんなオッチョコチョイの論文を発表しなかったかもしれないのに、と思った。

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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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