2017-07

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沖縄棲息ブロガーのつまみ食い

 沖縄に永らく棲息している大和人ブロガー・狼魔人が、21日の日記で、星雅彦氏の集団自決に関する(最近の)論考を部分的に引用して、あたかも星氏が、大江岩波裁判の地裁判決を非難しているかのような記事を載せている。いわゆるつまみ食いの与太記事である。
星雅彦氏は、政治的な論考を新聞雑誌に載せることは少なくなったが、現在同氏が編集長を務める、年1発行雑誌・「うらそえ文藝」第13号(2008.5月)に、編集後記として次の記述を載せている。
茶字の部分は狼魔人が引用した部分である。青字は小生が引用した後の部分。

狼魔人ブログ→   星雅彦氏の疑義!『鉄の暴風』と地裁判決へ
  

 星 雅彦氏の編集後記 ↓ 

  集団自決(強制集団死)について

●「集団自決」訴訟の大阪地裁で3月23日に、深見敏正裁判長はによって判決が言い渡された。 その日は奇しくも渡嘉敷島で集団自決があった命日でもあり、合同慰霊祭の日でもあった。
●大江健三郎氏の「沖縄ノート」については、座間味島の元戦隊長梅澤裕氏と渡嘉敷島の元戦隊長赤松嘉次への名誉毀損の成立は認めず、軍の関与を認め、原告側の請求を全面的に棄却した。 
●この事件から、浮上した諸問題がある。 まず当初からの争点であった戦隊長の直接命令の有無であるが、その「伝達経路は判然とせず、自決命令を発したとはただちに判定できない」と判決し、その一方では、軍から自決用に手榴弾を渡された住民証言を根拠にして「隊長の関与も十分に推認できる」としている。
●問題は手榴弾である。 手榴弾は何個あったのだろうか?
証言者達の集計では信じ難い数になる。実際には不発弾を除いたら数発ほどの爆発ではなかったか。 多くの住民は棍棒、鍬、鉈、鎌、小刀、縄などを使用している。 他方、貴重な武器であるはずの手榴弾が厳重に管理されていず、防衛隊が任意に入手したふしもある。 少年兵が併記倉庫から手榴弾を盗み出してきたという証言もある。 
●「鉄の暴風」は援護法の適用が意識される前から発刊され存在していたという事実から、隊長命令説は援護法適用のための「ねつ造」だという主張は、認められないという判断だ。 しかし当時はまだ軍民一体の思想の余韻が通念としてあったはずだ。むしろ、死者数を水増しして、それを援護法に適用するために用いられたとは考えられないか。実際に集団自決の死者たちの人数は、実数と多少食い違いがあると言われている。
●「鉄の暴風」については、50年前の初版は誤謬が余りにも多い。例えば「(省略)梅澤少佐のごときは、のちに朝鮮人慰安婦らしきもの二人と不明死を遂げたことが判明した。」(41頁)というくだりは知る人ぞ知るで、明らかな誤りだ。 そのことを梅澤氏は20年ほど前に沖縄タイムス社に抗議している。 その後、版を重ねて決定版を刊行したが、誤謬はまだ幾つかあると言われている。 にも拘わらず裁判では「鉄の暴風」をかなり信頼して、判断基準にしたきらいがある。
●今一つ半信半疑な点は、日本軍の駐留したところに限って集団自決はおきており、その点から推察して、軍命は間違いなくあったという決定判断だ。
●日本軍の駐留地と集団自決の関係は、「密接」ではあるが、必ずしもすべて当てはまるとは限らない。 日本軍の駐留地の阿嘉島では集団自決が起きていないのに、日本軍がいなかった屋嘉島では少数の集団自決が起きている。 これに類した例は他にもある。(略)>



 狼魔人が引用した部分を読めば、星氏は原告側に有利な考えを述べているかのように思える。特に、太字の部分はそう言っているようにも思える。
確かに、70年4月3日のタイムス>「25年前は昨日の出来事」以来、沖縄側の戦記のあり方、戦時中の様相の捉え方に疑念を持っていた。しかし、それは赤松隊長や軍一般の免罪を意味するモノではなかった筈である。狼魔人が略した以下の後半部分を読めば、星雅彦氏が過去に、本質を追及したかったが其れをなし得なかったという複雑な心中がわかる。そして沖縄に何十年も巣食っている、このヤマトゥンチュ植民者のあざとさが判るだろう。


以下星氏編集後記の後半

●戦時中の「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すことを勿れ」という当時絶対化されていた『戦陣訓』を国民にも強要して「一億玉砕」を唱えていた「皇軍」のことを思えば、至る所に軍命があったという発想は成立する。
●文科省が「軍命ありき」を削除した行為は、かつての「軍民一体化」の精神とは、裏腹なものであり、自ら過去の思想を醜悪なものとして隠蔽しようとした行為にすぎない。
●反面、住民の集団自決が「戦陣訓」の洗脳による時代の犠牲であるならば、逆に軍命の犠牲による死であることに固執する必要があるのかどうか。また殉死が良いはずはないが、無かったとは断言できないのである。
●従って、県民大会等を経た現時点において、軍命によって集団自決があったと解釈して、教科書から「集団自決(強制集団死ごを削除しようとした文科省に対し、県民が怒涛のごとき怒りの抗議をしたことは当然の帰結だが、政治的妥当性がある。しかしそれでもなお、先に挙げた諸疑間は残ったままだ。
●別な視点から大きな疑惑が他にもある。戦時中に起きたスパイ容疑への軍事処刑(中国・東南アジアでの一部の日本軍の残虐行為にそれは酷似している)と、また戦後、元戦隊長らがずっと生き延びてこれた現実があるということだ。
●実は今回の「うらそえ文藝」で「集団自決」問題を特集しようと考えたが、まだ究明の余地があるように思われ、時間も必要であることを浦感し、結局、特集を組むことを取りやめにした。



星氏は今70代半ばぐらいだろうか。「うらそえ文藝」で「集団自決」問題を特集したいとの意向をお持ちのようだが、年1回のローカル雑誌であるから、今年の5月ごろにそれをやるのだろうか。 
   
  資料   

  「25年前は昨日の出来事」  星 雅彦

 3月26日に赤松元大尉が来沖してから29日に慌しく去るまで、反戦平和の民主団体から怒りの声が起こり、ジャーナリズムはその抗議の様子を報道し続けた。
 私は記者団にまぎれこんで赤松一派をずっと追跡したが、詳細は別の機会にゆずるとして、問題の自決命令のことを考えると、赤松が直接命令したかどうか、結論を急げばどうも疑問符が次々と出てくるのである。
 真実は25年前に慶良間で集団自決が沖縄戦を象徴した形で起こったということだけである。

 集団自決の記録は、私の知る限りで次の3つがある。1、慶良間戦況報告書「渡嘉敷島における戦争の様相」渡嘉敷村座間味村共編。それは琉大図書館にあるガリ版刷りの資料で、執筆した年月日が不明確である。しかもその中には「全住民は、皇国の万歳と日本の必勝を祈り、笑って死のうと悲壮な決意を固めた」としか書かれてなくて、赤松が自決命令したとは記録されてない。2、「鉄の暴風」沖縄タイムス社編の「集団目決」の章。この本は、米軍のヒューマニズムをうたい日本軍への怨警をこめた古い硬質な文体でつらぬかれ、昭和二十五年八月の印刷物である。それには、慶良間戦況報告書より簡単にまとめられてあり、日骨けなど若干の誤謬もあるが、「自決命令が赤松からもたらされた」と漠然ど明記されてある。三、慶良間列島渡嘉敷島の戦闘概要。昭和二十八年(五十三年)三月、渡嘉敷村遺族会。それは当時の村長米田勝好(旧姓・古波蔵惟好)元防衛隊長屋比久孟祥、役所職員の協力を得てまとめたとなっている。幾らか細事に渡って記録されてあり、その中には、「赤松隊長から防衛隊員を通じて自決命令が下された」とある。不思議なことには、 一、二、三は、どれか二か二)を模写したような文章の酷似が随所にあるのである。

 私は二年前に慶良間を取材し、三を村役所で読んだ。また村民の皆が皆罪の意識を担っているように口が堅いことや、村の指導者がほとんど現存していることから、かれらの恥辱感と土俗的な共同体から起こる利害関係をよみとった。同時に、赤松の自決命令にわずかな疑惑をもち、小説「慰霊曲」では故意に少年の目を借りてその点をぼかしたのである。
 集団自決は、史上未聞の事件であるが、慶良間では、渡嘉敷より二日前に座間味で起きており、慶留間でも小規模にあったのだ。
 そこで告発を徹底するためには、軍国主義に忠誠だった村の指導者たち(思想を先取りして、村民を足手まといに扱ったふしがある)にも向けてしかるべきであり、一人一人あの時点でどうだったか、真実をさらす勇気が問われるぺきだと思う。
   (「25年前は昨日の出来事」、沖縄タイムス・コラム「唐獅子」、一九七〇年四月三日)
 
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テーマ:歴史 - ジャンル:政治・経済

コメント

No title

キー坊さん
>その点、狼魔人は目敏いです。

そうなんですね。
目敏さは彼らに学ばなければならないのかも。

狼魔人ブログへ

ni0615さん。
狼魔人へ一太刀浴びせていただき、有難うございます。
彼は詭弁家に過ぎないと思うので、最近、私は読んでもあまりカッカしません。

私は沖縄に居住してないので、「うらそえ文藝」の存在を知らなかったです。知ってても、編集後記の星論考を見つけられたかどうかですね。
その点、狼魔人は目敏いです。

30数年ぶりの、「集団自決」への論考なのでしょうか。星氏はまだ、それへの執着心を失っていなかった訳です。
次号(4月か5月)で、特集は組まれると予想してます。どんな内容になるか、待ち遠しい気持ちになります。

No title

星さんの文章ありがとうございました。
やっぱり狼魔人氏のブログはつまみ食いだったのですね。
一寸コメント入れておきました。

お示しの上の稿は狼魔人氏に歪曲利用され、
下の稿は、曽野綾子に歪曲利用され、

歪曲利用されたときは、本人が即座に抗議しないと、それがいくらでも使いまわされます。


とはいえ、
こちらも重要論考ですから、じっくり反芻させていただきます。
ありがとうございました。

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Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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