2017-10

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反体制言論人の認識不足

 反体制言論人とは元駐レバノン全権大使で、アメリカのイラク侵攻時における、小泉政権の全面的対米追従対応を批判して外務省を追放された天木直人氏のことである。現在は文筆家として、あるいはブログ(『日本の動きを伝えたい』)・メルマガ発信者として、対米追従から脱却できない日本政府の外交政策を筆法鋭く糾弾する言論を展開している。
 当然、過重な米軍基地を押し付けられている沖縄に対しても同情的言論を行っている。だが、まことに遺憾なことに、最近のメルマガで、米軍嘉手納基地のある嘉手納町の町長交代をめぐって次のような感想を述べている。

  勇退した宮城篤実・嘉手納町長の言葉が示すもの(2月20日発行)
               
 2月18日の朝日新聞「ウオッチ沖縄」という記事に、20年間嘉手納町長を務めて17日に勇退した宮城篤実氏(74)の言葉が紹介されていた。
 巧みな弁舌で政府や米軍と渡り合い、騒音軽減を約束させるなど、その政治手腕が注目されてきた町長であったという。その宮城氏が14日に退任挨拶のため仲井真知事を訪れた時、こう言って唇をかみしめたという。
「とても対応できなかったのが基地問題。何も動かせなかった」 
宮城町長は、町の面積の8割以上を米軍基地が占める現実を前に、拳を振り上げる運動よりも、政府や米軍との「交渉」に、活路を見出そうとしてきた町長だったという。
 その町長が20年間嘉手納町長をつとめたあげくの発言がこうなのだ。もはや取るべき道は一つしかない。嘉手納から米軍基地をなくす他はないのだ。基地を認めながらどのような策を講じても解決にはならない。
 その当たり前の事を名護の市民が今求めているのだ。その市民に選ばれた稲嶺市長が日本政府に要求しているのだ。誰が日本の首相になろうとも、日米同意を白紙にして辺野古移転を米国に認めさせる他はない。
 

 あろう事か、米軍基地の存在を利用して甘い汁を吸い続けてきた、我がシマ(故郷)の前町長をねぎらうかのような同情的見解を天木氏は述べているのだ。そして、「もはや取るべき道は一つしかない。嘉手納から米軍基地をなくす他はないのだ。」と言っている。
 宮城篤実と実名を書いてもいいのだが、汚らわしいので、私はと書く)は、天木氏が「元対米追従外交官」と貶す岡本行夫・元首相補佐官に誘導されて、島田懇談会を通じた防衛予算から250億円という巨額の市街地再開発のための資金をせしめる事に成功して、名町長ともてはやされ、5期連続(後の3期は無投票)当選を果たした「米軍基地大好き政治家」であるのが実像なのだ。再開発でできたビルの中には、岡本行夫梶山静六・島田晴男という嘉手納に金を持ってきてくれた三人の「恩人」のレリーフも作られている。
 は、再開発して建てた高層ビルに、那覇に在った「沖縄防衛局」をテナントとして誘致するというアイデアを思いつき、それ成功させた。(「沖縄防衛局」は米軍基地押し付け機関であり、今、高江でのヘリパット建設強行に狂奔している)防衛局の誘致成功を評価されて、前知事稲嶺恵一から副知事に誘われたが、格好つけてこれを断っている。そこまで出世すれば革新陣営から攻撃の的にされて、自分の私服肥やしを探られる事も避けたかったのだろう。
 
 新聞もマスコミも、その実態を書くことないが、嘉手納町の大部分の人間は、郷土の誇りを重んじる事よりも、目の前の僅かばかりのカネをずっと大事に考える「植民地人間」に成ってしまっているの実情なのだ。が在職したこの20年でその傾向が加速されている。その辺の事情を私は以前の記事で書いたことがある。
 また、嘉手納の「再開発」「防衛局誘致」の詳しい経緯を、沖縄タイムスの大和人記者・渡辺豪氏が、二〇〇九年三月一日~七月一八日まで計八〇回にわたって連載していた。「『国策のまちおこし』嘉手納からの報告」として出版もされている。
 新聞に連載するのだから、渡辺記者は嘉手納の町政を批判がましい論調で書くことはなかったが、「前書き」「後書き」を読んでみれば、あの嘉手納の「再開発」・「防衛局」誘致の政策を深く静かに批判している内容だと判る。

 天木直人氏は、恐らくこれまで沖縄に深く関わった経験がないのだろう。私利私欲のために、嘉手納に(という事は沖縄全体に)米軍基地を恒久化させる事に血道を上げた元首長を持ち上げながら、「もはや取るべき道は一つしかない。嘉手納から米軍基地をなくす他はないのだ。」と述べる矛盾に、天木氏は気が付かないのである。
 反権力の姿勢明確な硬骨言論人でも、沖縄の事に関しては認識が甘いのだと考えざるを得ない。この辺が大和人の限界なのだろうかと、嘉手納人の小生は思ってしまう。

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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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