2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

52年前の週刊誌

 我が住居の近くの古書店で、昭和34(1959)年6月発行の「週刊明星」を見つけて買ってしまった。1000円也。表紙は白木マリ(ドラマの藤田むこ殿の奥方)である。子供のころ日活映画のポスターなどで見た白木マリは、ヤクザの情婦のイメージが強く好きではなかったが、今見てみれば、22歳の彼女は爽やかなお色気の持ち主と思える。この週刊誌の内容は硬派とは言えないが、今の「週刊ポスト」に似たようなものと言えようか。
   
マリ1959
 「週刊明星」昭和34(1959)年6月号表紙<
    

s34週刊明星
                  目次

 昭和34年(1959)6月といえば、前年33年には長嶋茂雄がプロ野球・巨人に入団し大活躍して、既に時代のヒーローと成っていたが、王貞治は高卒で巨人に入団したての新人で、まだ何の活躍もしてない時であった。前年の日本シリーズでは、パの西鉄が3連敗の後の4連勝でセの巨人を破って日本一になり、球団の大いに株を上げた時期であった。そのためかグラビアには同球団の主砲・豊田泰光(24歳)が載っている。
 5月26日には、5年後の昭和39年の東京オリンピックの開催が決定されて、日本中が大いに盛り上がっている最中であり、そういう時代の週刊誌である。


       目次を見てみると、三島由紀夫、松本清張、柴田錬三郎などの連載がある。驚いた事にそれぞれの著者紹介に詳しい現住所が記載されている。今では考えられない事で、時代はまだのどかだったという事だろう。

 当ブログの主旨とは、ほとんど関連のない雑誌をネタに記事を書くのは申しわけない気もするが、当時27歳曽野綾子は既に著名人となっていたらしく、このオリンピック関連の特集記事の中で、オリンピックを批判的に見る文化人の中の一人として、別の新聞で述べたコメントが紹介されている。曰く
 「オリンピックをぜひとも東京でやってほしいと考えている人の気が知れません。もっとやらなくてはならないことがたくさんあるのではないでしょうか。日本も復興したことだし、オリンピックをやることはけっこうですが、たかがスポーツじゃありませんか。国旗をかかげて涙することもけっこうですが、個人の競技というのをはなれて、国家が前面におしだされるのは歓迎できませんね。」(作家・曽野綾子さん=東京中日)  

 当時でも、巨額の費用を伴う国家的イベントを行う場合には、それを批判的に見てシニカルな考えを表明するブンカ人が多数居たということだろう。曽野の意見自体は捨てたものではなく、私も賛同したくなるのだが、それはどうでも良いことだ。感じるのは、作家デビューして5年でまだ20代であった曽野綾子は既に名が売れており、その当時からいっぱしの一言居士であったということだ。芥川賞も受賞してなく大した作品を書いているわけでもないのに売れていたのは、女優並みの容貌に加えて田園調布育ち、聖心女子卒業という通俗的話題性の故ではなかっただろうか。その年4月10日には、同じ聖心卒業の美智子(現皇后)と皇太子(現天皇)との成婚があったばかりであった。

 曽野には若かりし頃から世の中の風潮に逆らって、あまのじゃくにモノを申す気質が身に付いていたとみえる。だが同時に、権力に与する体質も具えていて、その10数年後には、日本復帰が日程に登った"戦争被害の地"「沖縄」の虚妄を暴くべく(実は自分の作家としての停滞から抜け出す為に)、渡嘉敷島集団自決の「真相解明」という名の沖縄蹂躙に乗り出したのであった。

 全く別の話題だが、この「週刊明星」34年6月14日号にはもう一つ特集が組まれている。それは3ヶ月前の3月10日に起こった「スチュワーデス殺人事件」に関することである。
 この事件は、カトリック系教団「サレジオ教会」の信者であった27歳のBOAC航空(現ブリティッシュ・エアウェイズ)の日本人女性客室乗務員が、杉並区の善福寺川で絞殺死体で発見された事件である。被害者の元交際相手だったベルギー人神父の犯行という見方が強まったが、神父はベルギーに帰国してしまい事件は迷宮入りとなった、という52年前の事件である。当時の新聞が先走ったスクープ合戦をして、かえって事件の解明に悪影響を与えたのではないかという批判めいた特集である。

 この事件は曽野綾子と関係があるのではないが同年齢であり、同じカトリックの信者であるところが私の興味ある事柄である。また、事件現場の善福寺川の橋は車で度々通った所であり、、教会のあった杉並区下井草の場所もかつての住まいの近くなので個人的興味を誘われた。事件当時、曽野の夫・三浦朱門などカトリック信者の著名作家たちも、神父擁護と帰国後の複雑感情の弁を述べたらしい。次回に、この事件について書くことにしたい。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://keybowokinawan.blog54.fc2.com/tb.php/211-083e4f18
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

プロフィール

キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (2)
関連著作の紹介 (73)
渡嘉敷島関連 (19)
座間味・阿嘉関連 (19)
奄美その他 (38)
曽野綾子論 (35)
基地 (55)
政局 (45)
自論 (40)
STAP問題 (17)
慶良間全般 (1)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。