2017-07

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何もかも茶番

 9月7日、中国漁船が尖閣諸島海域の日本領海を侵犯、操業している時、海上保安庁の退去・停船命令を無視した上に、巡視船2隻に意図的に体当たりしたとの件で、海上保安庁は『公務執行妨害』でこの中国人船長を逮捕、拘束した。事件発生の時の担当大臣・前原誠司国交相は、この件を「国内法に基づいて粛々と処理する」と、きっぱりとした態度を表明し、証拠のビデオ映像も存在すると明言した。船長は那覇地検石垣支部に送検されて、「国内法に基づいて」法廷で裁かれる予定だった。
 中国政府は、日本政府の措置に強硬に抗議し、船長の即時釈放を求めた。中国当局によるフジタ社員の拘束、レアアースの対日禁輸などの報復措置を行った。それでもその時点では、日本政府は、船員と漁船を解放して中国に帰国させたが、船長に対しては釈放することなく、「粛々と」司法手続きが為されるかに思えた。

 ところが、24日に、那覇地検が「日中関係を考慮した」として、中国人船長を処分保留で釈放すると突如発表し、翌日釈放されて中国に送還された。検察の自主的判断でこんな決定をしたとの体裁であるが、一地方検察庁の一存で、国際問題の重要案件に関して決定を下せるはずはなく、これは政府首脳の意向である事に違いない。この時点では前原誠司は17日の内閣改造で、外務大臣に転進していた。24日は訪米中で、クリントン長官と会談している。対米従属を政治信条とする前原誠司はクリントンから何らかの指示を受けたはずである。つまり、それは中国人船長を釈放せよとの指示(命令)に違いない。菅首相も仙石官房長官も、今の菅内閣の主要閣僚はアメリカに隷従するしか能がない「対米隷従内閣」である。那覇地検に船長の釈放を命じたのは前原ら政府の首脳である。それは更に支配者たるアメリカ政府の指示という事である。
 「粛々と」中国船長を処置すると言っていたのに腰砕けの釈放劇で、日本国政府は大いに諸外国の侮蔑・嘲笑を買っただろう。政府首脳もその事が日本の国益を損なうという事を十分に承知しているはずである。しかし、それでも「対米隷従」を、自分の政治信条に切り替えることで政権の座に着いた菅直人以下の政治家では、アメリカに逆らう事は不可能なのだ。逆らえば早々に首を切られるからだ。

 11月1日には、6分50秒に編集された漁船衝突時のビデオが、衆参予算委員会所属の一部の議員にのみ限定公開された。11月4日には、6本・44分に編集されたビデオがyoutube上に流出した。これは神戸の海上保安庁の職員が流出させた事が分ったのだが、このビデオ映像は当事者である石垣の海保で編集、作成されたものである。国会議員に見せた6分50秒の物は、この44分の物に含まれているというから、この流出した6本44分も国会提出用に作成・編集した物だろう。
 ここで気になる事は、事件発生から国会でビデオが公開されるまで2ヶ月近くが経過している事である。また、撮影されたビデオ映像は全部で3時間半あるそうで、流出物は約5分の1に圧縮されている。映像に作為がされる十分な期間と圧縮率ではないか。44分に圧縮されている映像でも、2度の衝突の15秒ほどの瞬間がクローズアップされて、いかにも中国漁船が突進してきて巡視船に体当たりをかました様に見える。確かに漁船は過失ではなく、意図的にぶつかって来てはいる。しかし、所詮は漁船である。、頑丈な巡視船2隻(「よなくに」は数倍の大きさである)にまともに体当たりするとは思えない。映像で見てみれば、あれは接触に過ぎないのではないかと思う。進路を妨害されれたので、腹立ち紛れに斜め後ろから船首を巡視船の船尾にこすり付けたように見える。中国人船長はこの接触の仕方では双方とも大した被害は起きないと、判断したのではないかと推測する。

 この「尖閣諸島中国漁船衝突事件」は、本当に偶発的な事件だったのだろうかという疑念を私は拭えない。
 尖閣領有権問題については、海域に石油資源が存在する事が判ってから、中国はにわかに領有権を主張し始めたという事は、日本側から見て理不尽なもので許されざるべきものではある。しかし、国際政治の駆け引きでもって、この件については「棚上げ」にするという現実的対応をなすことが1972年の国交回復時1978年の友好条約締結時に、日中両政府の間で「了解」された事であったのである。この棚上げ方策を基にして、尖閣海域で日本領海に侵入して操業する中国漁船に対しては、海上保安庁の取り締まりの巡視船は、退去を勧告するだけに留め、逮捕、拘束などの強硬手段を採らないことを暗黙の了解として、この数十年慣習化して来たのではないか?

孫崎享=元外務省国際情報局長はビデオ・ニュースの番組で要旨次のように解説しているらしい。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/11/post_697.html
「72年の日中国交回復以来、日中両国政府は両者の言い分が食い違う尖閣諸島の領有権問題は『棚上げ』にすることを申し合わせてきた。これは尖閣を実効支配する日本にとって、支配が継続することを意味する有利な取り決めであり、事実上、中国が日本の実効支配を認める取り決めだった。その『棚上げ』合意に基づき、日本は尖閣を自国の領土と主張しつつも、周辺海域で国内法を適用することはしなかったし、同じく中国側も表向きは領有権を主張しつつも、政府として目立った行動は取ってこなかった。そのような微妙なバランスの上に実質的には日本が実効支配したまま、両国ともにこれを大きな外交問題としない範囲で慎重に扱ってきたのが、これまでの尖閣問題だった」

衆院議員・河野太郎氏はブログで次のように解説している。
北緯27度以南は、新たな規制措置を導入しない。現実的には自国の漁船を取締り、相手国漁船の問題は外交ルートでの注意喚起を行う。(尖閣諸島はこの水域に入る)
(中略)
尖閣諸島を含む北緯27度以南の水域では、お互いが自国の漁船だけを取り締まる。中国船はかわはぎを狙って数百隻がこの水域で漁をするが、日本は11月頃のカツオ漁の船が中心で数も少ない。
海上保安庁は、尖閣諸島周辺の領海をパトロールし、領海内で操業している中国船は、違法行為なので退去させる。操業していない中国漁船については無害通行権があり、領海外に出るまで見守る。


 それを何故、今回に限って停船命令を発した上、網を引き上げて退去しようとした漁船の進路を塞ぐような進路を、海保の巡視船は取ったのか?海保が衝突を誘導したのではないか? たとえ、この衝突事件が海保の誘導によるものでなく、偶発的なものだったとしても、なぜ、前原国交相は船長の逮捕、拘束を石垣海保や那覇地検に指示し、自らは「国内法に則って粛々と…」など言明したのか? これまでの「棚上げ」方策を適用すれば、速やかに船長を解放すべきではなかったのか?
(昨日今日と、尖閣海域に中国漁業省の監視船が徘徊している事を日本のマスコミは警戒調に報道しているが、監視船は領海内に進入しているわけでもない。中国監視船は中国漁船の操業違反を取り締まる為に、以前からその海域を巡回しているのである。対米従属のマスコミは真実を国民に伝える事ない)

 結局、前原誠司という政治家のやる事は、すべてアメリカの意向に沿うような事ばかりと言って良い。アメリカは、東シナ海での中国と日本の緊張関係を創出して、アジアの国同士を敵対関係にする事が、アメリカの利益となると思っているのである。沖縄に駐留する米軍基地の重要性を演出して、普天間基地などの米軍の基地を沖縄に居座らせる口実に出来るからだ。また、沖縄の民衆にも中国の脅威を印象付けて、米軍基地必要論を高めさせ、普天間基地の辺野古移設を容認する可能性を持った仲井真現知事を、11.28に投票日の沖縄県知事選挙戦で有利にするというあざとい目論見もあろう。
アメリカの言う事を忠実に実行する事しか能がない前原に日中の『棚上げ』合意を無視させて、強硬な対処をやらしたのである。前原も国益を損なうと分っていながら、そうしたのだろう。そうしなければ、自分がアメリカから見放される事になる。

 「対米従属」という事では共犯の日本マスコミは、事件時責任大臣であり現外相である前原を批判する報道をしない。馬淵現国交相をビデオ流出に関しての責任論を展開している。野党になった元祖対米従属政党の自民党も、前原を国会などで厳しく追及することをしない。それはアメリカの意に沿う事でないからである。前原はクリントンとの会談で、「尖閣は日米安保の適用範囲」という言質を引き出して、国民に安心感を持たせようとしているが、今や米中の経済的互恵関係が抜き難いほど高まっている現状で、日中間に事が起こってもアメリカが日本の為に軍事行動を起こしてくれるはずはない。

 沖縄に米軍基地が居座る事は、アメリカによる日本属国状態を永続化するために有効な事だ。日本の財界、官界、マスコミ、大多数の政治家連中も対米従属を維持する事で、甘い汁を吸おうと思っている。その為には、沖縄を永遠の「米軍基地」の島として、アメリカ軍に居座らせる事が最良のやり方だと思っているのだろう。
 「尖閣諸島中国漁船衝突事件」、その後に続く「ビデオ流出事件」は、アメリカの指示による日米両帝国主義権力(或いは中国帝国主義の一部も)が結託した、「植民地・沖縄」を抑圧するの為の謀略劇である。
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コメント

菅政権は第2自民党

てぃさーじさん。

 菅直人の民主党政権は、既に「対米隷従」の政府に成り下がっています。知事選では、裏で仲井真知事を強く支援しているでしょう。仲井真はほとぼりが冷めれば、辺野古移転に賛成する可能性が高いからです。

 仰るとおり、実にタイムリーに米軍の必要性を印象付ける事件が起こってくれます。今回の朝・韓の砲撃戦も、必ずしも北が仕掛けたとは限りません。哨戒艦沈没事件も、北がやったと決め手になる証拠はありません。
 これらの事件がすべて、沖縄に米軍・自衛隊の基地を押し付けるための、日・米・韓の共謀だという訳には行きませんが、知事選を目前にして、絶妙なタイミングで起こっています。

米日韓暗黙の了解?

>今や米中の経済的互恵関係が抜き難いほど高まっている現状で、日中間に事が起こってもアメリカが日本の為に軍事行動を起こしてくれるはずはない。

13億という圧倒的な人口を有する中国が今後どんどん発展していくことを考えれば米国といえどうかつに手を出すことはできないはず。
昨日は沖縄知事選前の祝日、各地で候補者応援演説が繰り広げられた。まさにその時に朝鮮半島では紛争が起きました。
「困った時の北朝鮮」という話は本当ですね。
意図的か偶発的かマスコミではっきり言及できるものはいないが、こうして現実として「タイムリー」な事件が起きている。(不謹慎であったとしても)こんな好都合な話ってあるんだろうか?
韓国哨戒艦沈没事件の後、ソウルへ観光旅行に行ったのだが、一般人が不安に陥っているのと対照的にテレビに映し出される李明博大統領が自国を支持する各国代表者と嬉しそうに握手。通常日本には批判的なマスコミも(好意的に)韓国支持の日本閣僚会見を何度も流す…あの違和感。
結局、日本の(特に沖縄)米軍基地を現実的にもっとも必要としているのは韓国かもしれない。
日本が独自の軍隊を強大化させることに拒否感をもっているので米国に守ってもらえれば(ついでに日本を監視する為)ありがたい。その為には恒久的に沖縄の基地が必要ということでしょう。
『普天間基地移設問題 韓国で懸念広がる 沖縄返還時の憂慮が現実に』 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/print/politics/diplomacy/337971/
死傷者が出ているので今回は茶番などとは言えないが、このような時期を狙って北朝鮮を挑発したのはほぼ間違いないと思います。
「NHK ETV特集 シリーズ 安保とその時代」という番組がありましたね。
戦後まもなく、全国各地にあった米軍基地に対して民衆の反対運動があり各地で暴動発生。基地撤退を要望してきた日本の首相に、米国は重工業などの技術援助を行い経済発展を約束したときから日本本土の米軍基地は閉鎖され同時に沖縄で広大な基地建設が始まったといういきさつ。
韓国の急速かつ奇跡的な発展も米国の完全な庇護のもとにあってこそ成り立ったのか?(国民が艱難辛苦を耐えてきたことは知っているが)
そういえば超右翼系新聞・世界日報はカルト宗教が運営しているがその教祖は北朝鮮出身だそうで。
話はあちこち飛ぶが、ことの初めは稲嶺知事が何度も協議を重ね承認をとりつけた、普天間基地15年期限付き返還を米国(と日本政府)があっさり反故にしたからですよね。北部地域振興の為に飛行場がほしかった知事は結局うまく騙されたということなんですよ。
基地反対の伊波氏が知事になったとして、はたしてどうなるのだろうか?どんな嫌がらせや陰謀策略があるのか。物事の裏側を考えると先読みして少し悲観的になってしまう。
しかし民主党に政権交代した今こそ、基地返還のチャンスでありその時流がきている、と思う。

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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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