2017-05

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素人沖縄語講座②

「素人」という意味は、「沖縄語(方言)」に関する適当な解説書を、恥ずかしながら一冊も読んだ事がないこともある。また、自分の地元の沖縄本島語以外の地方語に接した経験が無いに等しい事もある。
 全くの「素人」のくせに、言語の講座を開陳するのは僭越ではないかと言われそうだが、私はウチナーグチしか使わない親から生まれて、人生の最初にウチナーグチを覚えて育った言わば土着のウチナーンチュの範疇に在ると自任しており、語彙については一世代上の人達に比べると、はなはだ貧弱なものであるが、それでも、140歳くらいの沖縄の年寄りが生きていると仮定して、その人と話するとしても、十分意思の疎通が出来るくらいの能力は有ると思う。

 文法的なことについては、学校では沖縄語の文法を教える筈もなかったが、中学・高校で国語の時間に習った日本語文法から、沖縄語の文法も類推できると思う。
 よって、どんどんどんどんと、沖縄から消えつつある沖縄語(ウチナーグチ)について一席ぶつのも許容範囲のことと思って、ブログに書いている。

 前回、基本的名詞は沖縄(本島)語(ウチナーグチ)と日本語は、大部分同じだと書いたが、動詞・形容詞もかなりの部分一致している。沖縄語の動詞・形容詞の終止形は必ず「ン」で終るのだが、日本語の「く」で終る動詞を取り上げてみれば、

 歩くアッチュン咲くサチュン置くウチュン剥(む)くンーチュン聞くチチュン  掃くホウチュン書くカチュン

 「く」→「チュン」となる訳だが、これは首里・那覇中心とした沖縄語における標準的な言い方であり、やんばる(北部)など古い発音法が残っている地域では、「く」→「クン」である。よって、歩く→「アックン」、咲く→「サクン」、置く→「ウクン」、剥く→「ンークン」、聞く→「キクン」、掃く→「ホウクン」、書く→「カクン」となる。
 こうして見ると、ヤンバル言葉のほうが、日本語に近いのだろうと推量できる。

 カ・キ・ク・ケ・コが、チャ・チ・チュ・チェ・チョとなる事は、首里・那覇中心とした沖縄語の標準的発音法とされている。(全部ではない)
 だから、日本語の「聞く」は、→「キクン」(やんばる等)→「チチュン」(首里・那覇など)となるが、「書く」は→「カクン」→「カチュン」であり、この場合の「カ」は「チャ」に転訛してない。 

 動詞の活用形も、日本語の活用変化と対応している。例えば、日本語「置く」の活用変化は、

未然形・置か(ない)
連用形・置き(並べる)
終止形・置く
連体形・置く(人)
仮定形・置け(ば)
命令形・置け

上のように、「か・き・く・く・け・け」の五段活用形であるが、沖縄語(首里・那覇など)のそれは、
未然形・ウカ(ン)
連用形・ウチ(並ビーン)
終止形・ウチュン
連体形・ウチュル(人)
仮定形・ウキ(バ)
命令形・ウキ

と、「カ・チ・チュ・チュル・キ・キ」となって、違うようにも見えるが、これは沖縄独特の(というより琉球全体の)三母音の発音様式による転訛である。
 一般に、日本語の「あ・い・う・え・お」は、琉球では「あ・い・う・い・う」であり、「え」・「お」は、それぞれ「い」・「う」に転訛する。
したがって、仮定形・命令形の「け」は→「ウキ」となるのであり、動詞活用形も五段活用形に他ならない。

 別の活用形の動詞を例示してみる。
得る」は、沖縄本島語(首里・那覇など)で言うと、「イ(ゐ)ーン」である。活用変化は、

未然形・「イー(ラン)」
連用形・「イー(ブサン)」
終止形・「イーン」
連体形・「イール(人)」
仮定形・「イーリ(バ)」
命令形・「イーリ」

イ・イ・イン・イル・イリ・イリ」となり、一見、上一段活用形に見えるが、これも「得(え)る」が→「いーん」に転訛した為であり、「得る」の「エ・エ・エル・エル・エレ・エヨ」の下一段活用形の変形である事がわかる。

 形容詞についても、基本的な語彙は日本語と体部分が同じといってよい。
 今は「美しい」との意味をもっているチュラサンに見られるように、日本語形容詞の終止形は「」で終るが、沖縄語のそれは「サン」が最後に付く。「チュラサン」の語源は、日本語の「清らしい」に当たる「清(キュ)ラサン」であり、「キュ」が、「チュ」に転訛して、「チュラサン」になっている。意味も「清(潔)」よりも、今は「美」の意味が強くなって、「美らさん」の漢字を当てる事が多くなっている。

 形容詞の基本的語彙を日本語と対応してみると、多くの語で一致している。
「高い」→「タカサン」、「低い」→「ヒクサン」、「長い」→「ナガサン」、「黒い」→「クルサン」、「白い」→「シルサン」、「赤い」→「アカサン」、「青い」→「オオサン」、「面白い」→「ウムッサン」、「嬉しい」→「ウッサン」、「熱(暑)い」→「アチサン」、「強い」→「チューサン」、「弱い」→「ヨーサン」、「温い(温かい)」→「ヌクサン」、「珍しい」→「ミジラサン」、「寂しい」→「サビッサン」、「強(こわ)い」→「クファサン」など、かなりの比率で一致していると言える。

 だが、「ヒルマサン」という語は、「珍しい」も含む「不思議だ」「理解できない」という意味であるが、日本語の形容詞では何が適当かは今思いつかない。
 女性対して使う「ウジラーサン」は「聡明だ」という意味であるが、これも日本語では何が適当な語に当たるか思いつかない。
 一致しない形容詞を思いつくままに挙げてみれば、

「危ない」→「ウカーサン」(「アブナサン」と言う人も居たが、これは近年なってからの日本語からの移入)、「寒い」→「ヒーサン」、「寂しい」→「シカラーサン」、「侘しい」→「ビナサン」、「賢い」→「ソーラーサン」、「怖い」→「ウトゥルサン」(九州に「オトロシカ」という言葉があったので、これと繋がっていると言える)
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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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