2017-10

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鳩山首相についての山崎論考

 かつて山崎行太郎氏は大江・岩波集団自決裁判に関して、原告側の理論的後ろ盾である曽野綾子をはじめ原告を支援している劣化保守論壇人等を痛烈に批判し、文学者として尊敬の対象である大江健三郎を強く擁護する論文、そして集団自決軍命説を支持する論考を自身のブログや雑誌論文・琉球新報掲載のコラム等で発表していた。私は2年半ほど前に、氏のブログで曽野綾子を痛烈に批判している論考を読んで、溜飲を下げる思いをした。
 その中に「…曽野綾子という三流の通俗作家が、保守論壇の重鎮として保守論壇に君臨し、居座っているところに、この裁判の意味と、昨今の保守論壇の堕落と停滞が象徴的に現れている、と言っていい。…」という一文がある。
 山崎氏は保守反動を自認し、当時は自民党支持の保守論壇人でありながら、歯に衣着せぬような言葉で昨今の保守論壇の劣化振りを指摘し、同じ保守論壇人の大物作家を切って捨てている。その反骨の姿勢に私は真摯な言論人らしさを感じたのである。

 その後、大江岩波裁判の控訴審判決後・新政権誕生後の山崎氏の論考は、新政権の中核・小沢一郎氏を支持・弁護し、新政権を攻撃する検察・マスコミを批判するものが中心となっている。氏は「対米従属」「官僚支配」からの脱却を掲げる民主党政権を強く支持しているのであるが、「普天間基地移設」問題に関しては、「最低でも県外説」と公約した鳩山首相に強い疑惑の目を向け、厳しい批判の論考を去年11月26日の琉球新報に発表している。末尾の方で「もし、鳩山首相が「現状肯定(名護移設)」に転じることがあるならば、その時は、鳩山首相は、嘘をついたことになるのだから、潔く責任をとって即刻、遅陣すべきであると私は考える」と、書いている。   私はこの時点では、鳩山首相は真摯に県外・海外移設を考えているが、それは多くの障害が立ちはだかっていて、政府は暗中模索状態で苦慮しているのであり、鳩山首相が日米合意の辺野古埋め立て案や辺野古に滑走路を造るなどの「県内移設」を採用することはないと信じていた。だが、徳田親子と面会した翌日の4月19日に、「辺野古浅瀬くい打ち桟橋案」なるものを打ち出してきた。私はこれには少なからざる絶望感を味わわさせられた。

 11月の琉球新報コラムで「現状肯定(名護移設)」に転じることがあるならば、即刻、遅陣すべきである」と言った山崎氏であるから、辺野古くい打ち案を「腹案」としてさらけ出した鳩山氏を非難し、退陣を求める言論を発するのかと思いきや、昨日のブログ記事では、鳩山首相を擁護する考えを述べている。「僕は今回(5.4)の沖縄訪問で、少なくとも鳩山首相個人は、強く県外・国外移設を望んでおり、本音は「基地存続論」ではないのかという疑惑は晴れたと言っていい…」と、鳩山氏を見直すことを述べている。
 これは私の考えとは逆のことである。私は4.28の時点で、鳩山首相は変節して県内移設を目指すようになり、5.4に沖縄へ出向いて首長や県民にその受け入れを要請したと思って、鳩山氏というより民主党政権に絶望感を持ったのである。政権交代がすべてに意味のないものに成ったと思い、怒りを感じたのである。しかし、山崎行太郎氏は鳩山氏個人に対する疑惑は晴れたと言う。「鳩山首相個人を批判するにしろ罵倒するにしろ、あるいは鳩山首相を退陣に追い込むにしろ、それでは問題は何一つ解決しないどころか、一歩も前進はないだろう。むしろ後退するだけだろう。」とも言われる。

 私は、ここで山崎氏を批判しているのではもちろんない。氏が上に言っている事は、4.28まで自分のブログで書いてきた事と同じである。鳩山氏は「県外・国外移設」を強く望んでいるが、日本内外の強い圧力によって煮え切らない態度に成るのは致し方ないことであり、沖縄の県民全体で政権を退陣に追い込むことはかえって普天間解放を送らせる、と「県民大会」なども批判したのである。首相が4.28の「くい打ち案」を打ち出した事で、今はそれは自分の愚かな期待感であったと忸怩たる思いになっていた。
 山崎氏は逆のことを言っているのである。上の文に続いて、「今、やるべきことは、矛盾するような言い方だが、鳩山首相を批判しつつ、同時にあくまでも海外移設という腹案を持つ鳩山首相の対米交渉を支持し、応援すべきだろう。」とも書いている。
 11月の論考で述べた鳩山批判とは一転した支持・応援の内容であるが、残念ながら何故に鳩山首相への疑惑が晴れ、見直すように成ったのかの分析は述べてない。

 私には、鳩山内閣のうちに普天間解放をやってもらいたいという願望がまだ残っている。もし、山崎氏の洞察が的確なものであれば、鳩山氏をまだ期待したい気持ちがある。願わくば、鳩山内閣に関する今後の山崎行太郎氏の分析や言及に期待したい。

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コメント

知事会へ協力要請?   

 鳩山首相が、麻生全国知事会・会長に、沖縄の基地負担の分散負担を全国で計らってくれる為に、緊急の知事会を要請したという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100513-00000098-mai-pol

これだけを聞くと、あたかも全国で沖縄の基地負担を減らすべく、全国知事会も乗り出したように見える。普天間だけでなく、嘉手納の訓練も全国で分散負担するような配慮をしたかのように見える。
 しかし、これは、あくまで辺野古にくい打ち桟橋式の滑走路を造る事を前提にした動きである。全国知事会でこれを決定し、徳之島の町長らが渋々了解したとすれば、沖縄もこれを拒否できないムードを作り出す事になろう。
 鳩山首相は、こんな姑息なやり方を思いついたのだろうか?とても、実現は出来まい。これが鳩山政権の最終の選択だろうか?

分散移転

エレミヤさん。コメント有難うございます。

 今回、平野官房長官が徳之島町の町議5人と会った目的は、沖縄辺野古にくい打ち桟橋滑走路という、「恒久施設建造」を前提とした上で、徳之島に訓練の一部を受け入れて貰おうというもので、相変わらず沖縄に重大な基地負担をさせて、徳之島には少しばかりの負担をお願いしようと三顧の礼を尽くしているのではないでしょうか。
 見方によれば、徳之島の政治家と政府が結託して、沖縄に『県内移設』押し付けようとする策略の可能性も無きにしも非ずです。 

 4.28徳田・鳩山会談の前と後では、政府の方針は大きく後退していると言わなければなりません。

追記しますと、分散移転というのは、訓練を分散させるということであるようです。いずれにしても、私は沖縄の負担を少しでも減らすことが大事であると考えます。県外移転が無理でも、すこしでも「よりましな選択」がなされればいい、基地問題を解決しようとし始めたばかりである以上、漸進的なやり方になるのは仕方がないことだと私は考えます。

分散移転案が現時点では最良かもしれません

はっきりいって、基地問題をなくそうと思えば、基地を必要とような状況を変化させない限り無理であると思います。それには国際規模での軍縮や国連の強化という形で、各国同士の軍事的対立を徐々に和らげようとするしかありません。しかし、これを実行しようと思えば、途方もなく年月がかかるのは明白です。
私は下地島がいいのではないかと思っているのですが、鳩山首相の分散移転案も沖縄の人々の苦痛を和らげるという点においては、有効であると思います。現在の状況において基地問題を解決させようとしても、誰かに被害を強いる形で終わるでしょう。それならば、その苦痛を分かち合うというのが最良ではないでしょうか。これに関しては、時事的な問題というよりかは、人倫の問題といえるでしょう。

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キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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