2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「食えない大島…」の記事本文

 しつこく、佐野眞一・『沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史』の中の「空白の琉球弧」を追求して行く。

 挙げられた新聞見出しの三番目、「食えない大島、沖縄に出る外なし」(昭和二十五年六月十五日 沖縄タィムス)についてであるが、これは奄美人が犯した事件を書いた記事ではない。記事全文は次のとおりである。(青字)

 「食えない大島 沖縄に出る外なし」

 大島連絡事務所言う
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 志喜屋知事は軍との連絡会議で、大島からの渡航についての措置をミラー軍政官に要望したが、松葉大島連絡事務所長は次のように語っている。

 「現在大島では金詰まりで凡ゆる面が行き詰っており、人口その他就職の緩和策としては沖縄に出る以外はない事情に置かれている。大島政庁としては沖縄への渡航に際し、○組織で許可しており、これらは連絡事務所のあっせんで金城カンパニーその他で真面目に働いており、当事務所としてもこれらの指導には力を入れている。
 一部の不心得者のいることは認めるが、大島としては以上の状況にあるので、この点、近く志喜屋知事ともお会いし、渡航問題について協議して協力をもとめたいと思っている。」


 戦後のこの時点では、まだ、統合された琉球政府は発足されてなくて、この記事の出た直後、'50年11月から琉球は北から、「奄美」「沖縄」「宮古」「八重山」の群島政府が置かれ、それぞれ別個の自治政府を構成する事に成るが、記事の出た頃の琉球は行政機構が整理されてない状況で、奄美から大量の、労働者の沖縄本島へ流入があり、沖縄人の雇用状況に影響を与えていたのだろう。渡航者には素行の悪い者も居たようである。

 沖縄民政府の志喜屋知事は、支配者である米軍政府の高官に奄美からの渡航制限を要望したものと思われる。
 これに対して、在沖の大島連絡事務所長が「食えない大島 沖縄に出る外なし」と言って、沖縄側に要望の談話を発表したのである。実際の発言は現在大島では金詰まりで凡ゆる面が行き詰っており、人口その他就職の緩和策としては沖縄に出る以外はない事情に置かれている。」と言っているのだが、新聞の見出しでは「食えない大島 沖縄に出る外なし」 となっている。
 
 「食えない大島 沖縄に出る外なし」という要約した書き方が、差別だとするには当たらないだろう。今だと差別表現であるが、当時はマスコミも言葉の使い方に関しては大雑把な時代だったのではないか。第一、この言葉の内容は奄美のお役人から発せられており、新聞記者が勝手に書いたのではない。
 佐野眞一は、この記事の原文を読んだはずだから、差別記事でない事が判るに違いない。それにも拘らず、惠忠久の言う事に追随してあたかも奄美差別の新聞記事ように書いている。明らかな歪曲記述であり、作家としての良心を疑わせる。
 この佐野のルポ「誰にも書かかれたくなかった戦後史」に対して、沖縄の言論人がクレームを付けているかどうかが気になる処である。何も無いとすれば、沖縄は完璧に侮辱された事に成るのではないか。
スポンサーサイト

コメント

自己レス

 本文の末尾で、「この佐野のルポ…に対して、沖縄の言論人がクレームを付けているかどうかが気になる処である。何も無いとすれば、沖縄は完璧に侮辱された事に成るのではないか。」

と書いたのだが、何も無いどころではなかった。かえって、この本の出版を祝うような事を沖縄の新聞社がやってくれているのである。
沖縄在住のルポライター・浦島悦子のネットレポートがある。
「沖縄から戦後日本を照射する……佐野眞一出版記念講演会」
http://www.news.janjan.jp/area/0810/0810180682/1.php

なんと言う事か、「琉球新報」が主催して、佐野眞一の為に、出版記念講演会を持ったのである。
 浦島悦子と言えば、鹿児島本土生まれらしい団塊世代の女性作家で、主に、沖縄における反米軍基地をテーマとするルポライターとして知られている。佐野が書いている「沖縄のすさまじい奄美差別」と書く文章は読んだのだろうか?自分が鹿児島(薩摩)の人間だから気にならないのか?    

また、琉球新報の人たちは、佐野がこの本で、惠忠久・奥茂治から聞いてそのまま書いた「沖縄の奄美差別」」の記述を読んだはずだが、何の違和感も感じないのだろうか?惠・奥がどんな人間だかよく知っているはずだが。いやはや…。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://keybowokinawan.blog54.fc2.com/tb.php/107-d8bd0a61
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

プロフィール

キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (2)
関連著作の紹介 (73)
渡嘉敷島関連 (19)
座間味・阿嘉関連 (19)
奄美その他 (38)
曽野綾子論 (35)
基地 (55)
政局 (45)
自論 (40)
STAP問題 (17)
慶良間全般 (1)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。