2017-06

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

佐野眞一の本を読んで

 2009-08-30のコメント欄【#450】で奥茂治氏に、佐野眞一著・『沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史』を読んでみろ、そうすれば沖縄が奄美対してどんな差別を行ったか判る、と言われたので読んでみた。
 650Pもある分厚い本なのだが、かなり通俗的な沖縄ものノンフィクションという感じである。「誰にも書かれたくなかった」などと、沖縄の恥部、暗部を暴いたつもりの読み物である。まるで暴力団などの裏社会の人間が戦後沖縄史を作ってきたような書き方である。それでも、読んでいて面白味はあるし、「週刊プレイボーイ」という大衆雑誌に掲載されたという事を考えれば、内容的には許容範囲であると思う。
                                                            
 暴力団がらみの逸話の連続は、沖縄の恥部を暴いたというほどのものではないと思う。このくらいの事は沖縄社会ではあり得たのではないかと思われるし、それに味付けして面白味のある文章にする事までは非難できない。。読み物として読む分には人畜無害のルポだと思う。
 だが、許されない事は、奄美に関わる沖縄人の差別を大幅に誇張して書いて、沖縄人と沖縄社会を誹謗・中傷する内容になっている部分がある事である。沖縄の在沖奄美人への差別を、「隠されてきた」沖縄の恥部として暴いたという、佐野の書き方である。その時代を幼少期として過ごし、奄美人ともわずかばかりは接点のあった自分としては、到底納得できないものだ。過去の生活的実感から承服できないのである。

 1953年の奄美の日本復帰後の、在琉奄美人への行政上の差別処遇は、大和社会には知られてないだろうが、沖縄ではよく言われていた事である。私も中高校生の頃、奄美人同級生などから、恨みっぽい口調でそれを言われた事がある。マスコミでも、「奄美人の識者」によって公に批判されていたことである。(市村彦二中村喬次ともに琉球新報記者)

 決して、佐野眞一が書いたように「沖縄の戦後史の暗部として、なかったことになっている。」のではない。
 この事についての、佐野の主要な取材相手というのが、あの「三欣会」の幹部、奥茂治と惠忠久である。ともに沖縄に長年住み、背中に日の丸を差して策動してきた「特殊」な奄美人二名である。 この二人の言った事に何の批判・検証も加えずに、佐野はそのまま本に載せている感じがある。 佐野眞一というノンフィクション作家の本を初めて読んだのだが、その物書きとしてのレベルが判ろうというものである

 HPの資料欄に、その一部(奥茂治へのインタビュー)を載せて、注釈という形でテキストクリティークを付けてみた。ご参照ください。
スポンサーサイト

コメント

白旗の少女

オフトピですが、黒木瞳主演『白旗の少女』は 明日30日午後9時放送です。テレビ東京開局45周年記念。
http://www.tv-tokyo.co.jp/shirahata/comment.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2009092902000066.html
関西では見れるのでしょうか?

給与格差は地域給

ni0615さん。
『奄美復帰史』(村山家国著)見てきました。
やはり、この賃金格差は沖縄内の、出身地別の格差ではなくて、地域によるものです。しかも、奄美だけでなく、宮古・八重山も、沖縄本島と差を付けられたのです。

奄美の公務員大会での抗議声明を受けて、
「比嘉主席は『給与の改定』を約束した。しかし、給与差は『地域給』によるもので、これを差別扱いとする解釈は妥当でない、という姿勢をしめした」と記述されてます。

格差は地域によるもので、同じ職場で奄美人と沖縄人に格差をつけるという露骨なものではなかったのです。当時の主席はその地域格差給の変更も約束したのです。
地域格差も差別には違いないですが、佐野眞一という作家は、沖縄人が奄美人に対して、より露骨な差別をしたという印象を読者に与える書き方をした、としか思えません。

『奄美復帰史』のこの部分をHPにアップしようと思います。

佐野氏は、「鬼面人を驚かせるハッタリ」屋という世評(事件の為か)に反して、といってるわけですね。

ni0615 さん。コメントをどうも。

>佐野氏が奥氏を「鬼面人を驚かせるハッタリ」屋と表した

いえ、そうではなくて、「鬼面人を驚かせるハッタリ」屋ではないとの印象を持ったので、言うことに信憑性があると評してます。
紹介された「富士通事件」の事を佐野は知っていたはずですが、この件について何も触れてないのも不自然ですね。

『奄美復帰史』(村山家國著)のような地方書は、一般の図書館に所蔵されてないので、調べにくいのですが、佐野眞一の引用は適当に抜き書きされている可能性があります。

給与格差

キー坊さん
ご紹介有難うございます。ざっと拝読しました。

>沖縄内での奄美人・沖縄人の格差
公務員の給与格差が無かったとは断言できないのはもちろんですが、そこで上げられた数字は、同じ職場でではなく、沖縄本島勤務と奄美本島勤務との物価差を理由とした差ではありませんか? あるいは昇進で差がついた平均給与を比較したものか? 

ところで、佐野氏が奥氏を「鬼面人を驚かせるハッタリ」屋と表したのは、例の「防衛庁システム情報漏洩ご注意申上げだったのかそれとも恐喝だったのか事件」を踏まえているのだと『思料』します。
http://groups.yahoo.co.jp/group/nomorewar/messages/5656?threaded=1&expand=1

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://keybowokinawan.blog54.fc2.com/tb.php/100-ca14eab1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | ホーム |  »

プロフィール

キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (2)
関連著作の紹介 (73)
渡嘉敷島関連 (19)
座間味・阿嘉関連 (19)
奄美その他 (38)
曽野綾子論 (35)
基地 (55)
政局 (45)
自論 (40)
STAP問題 (17)
慶良間全般 (1)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。