2011-11

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「米軍上陸日」を巡る曽野のペテン

 曽野綾子の『ある神話の背景』のテーマ(書いた目的)を簡単に言えば、、渡嘉敷島で住民が集団自決したのは赤松隊という日本軍の「命令」に拠るという語りは事実ではなくて、住民が自発的に(勝手に)、お国の為にと自決(自殺)していったのが事実である。それ故、それを書いた三戦記は真実を記述した正しい記録ではないとし、赤松隊長を極悪人風に描いたのは(神話)である、ということにある。
             sinjitu.jpg
 隊長命令の根拠とされる資料は、「命令」があったと明記される沖縄タイムスの『鉄の暴風』、及び渡嘉敷村の公式戦記(遺族会編纂)の『慶良間列島渡嘉敷島の戦闘概要』の二記録があり、隊長命令の明記はないが全体が『概要』に酷似する渡嘉敷村・座間味村共編『渡嘉敷島における戦争の様相』の、併せての三記録であるとする。

 渡嘉敷村のニ戦記は、『鉄の暴風』の記述を引き写して書かれたことは、刊行時期や、語句と文章の酷似具合から見て明白であるとし、『鉄の暴風』は、執筆者が直接体験ではない人物から取材した「伝聞」によって書かれた記録であるから、この沖縄の三つの戦記は三つとも信用できるものではないと、曽野綾子は強調している。そして、後のほうで、次のように畳み掛けている。

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「切りとられた時間」をゲット

 『ある神話の背景』の全刊行をなぜか手に入れたいと思い立って、ネットショップを検索してみた。2社で文庫化もされているが、全部絶版になっており、ベストセラーになった本ともいえないので、そうたくさんは出品されていない。でもなんとか、初版文春単行本(1973)、角川文庫版(1977)、PHP文庫版(1992)を一冊づつゲットすることが出来た。雑誌「諸君!」(1971.10~1972.9)に連載されたものは市場に出回ってなさそうなので、入手できる可能性ないと思う。それから、「生贄の島」(1970)・「切りとられた時間」(1971)・「ある神話の背景」が収録された「曽野綾子選集Ⅱ第2巻」(1984)も市場に出ている可能性ないと思うので、検索をあきらめた。
 
 ところで、今回ここで紹介するものは、「切りとられた時間」(中央公論・1971年9月)の単行本である。これは初版ではなく、翌月10月に再版(第2刷)された単行本である。古書価格4千円也と、バカ高かった。だが、曽野綾子の署名が入っており、函、帯、パラフィン紙付きの新品同様の品だから高いのも仕様がないかと思える。資料として持っておく分には安い文庫版でも良いのだが、文庫化はされているがネットでは見つからない。単行本の出品も希少なものと想像されるから、これも一冊は持っておいても良いかと思い切り、購入した。 

      署名ー「切りとられた時間」


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「マサダの集団自決と比べる虚妄」

 曽野綾子は「新版へのまえがき」の後段で、渡嘉敷島の「集団自決」を、紀元73年、古代イスラエルの要塞・マサダで起きた兵士と住民960人の集団自決と比べ、
「日本人とユダヤ人の大きな違いは、マサダの自決をどう評価するか、において見ることができる。イスラエルでは、マサダの集団自決を、非人間性や好戦性の犠牲者として見るどころか、そこで自決した九百六十人の人々を、ユダヤ人の魂の強さと高貴さを現した人々として高く評価したのであった。」
 と、マサダの「集団自決」を強く賞賛しながら、沖縄の「集団自決」を同じようには讃えない沖縄人や日本人の感性を誹謗している。沖縄の「集団自決」を誉め殺し、同時に赤松隊という住民を死に導いた日本軍を免罪したいが為の文言である。曽野はこのマサダの集団自決の話がお好みのようで、「正論」2003年9月号にも同じような文章を載せている。
 曽野のマサダ話のいかがわしさについては、山崎行太郎氏も2007年12月1日のブログ記事で、完璧な批判を加えていた。
 
               masada.jpg
                現在聖地・観光地となっているマサダ

 この「新版へのまえがき」後段の文章に、曽野綾子の権力御用モノ書きとしての愚劣さと卑劣さがモロに露呈していると思う。

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プロフィール

キー坊@ウチナー

Author:キー坊@ウチナー
沖縄本島中部、巨大な米軍基地を抱える町の生まれ。
齢を重ねるごとに、沖縄戦へのこだわりが強くなります。
曽野綾子・『ある神話の背景』は沖縄を究極的な軍事基地にする目的を持っています。「集団自決」は沖縄戦の集約された出来事だと思います。『ある神話の背景』は沖縄への抑圧・差別の集約文書です。

HP・「その『神話』の背景」(文献・資料集)
http://keybow.co

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